元陸自1等陸佐に聞いた…アフガン映画「コヴェナント/約束の救出」のリアリティー
彼らの身元保証人になり、そこから半年後には家族10人、紆余曲折を経てさらに2人を受け入れました。慣習の違いや在留資格をめぐる問題などもあり、この間いろいろありました。将来への不安もそうですが、人が殺されるのを目撃したトラウマに苦しんでいるのを見るのはつらいものがある。特に女性は大変そうですね。タリバンによって行動制限を強いられてきた影響なのか、内にこもりやすい印象です。
──陸自ではテロ対策訓練を指導されたそうですが、パレスチナ情勢をどう見ていますか。イスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃は防ぎようがなかったのでしょうか。
急襲は許されることではありませんが、軍事的に見ればハマスが勝利し、大失態をしたイスラエルが仕返しするのは当然です。双方とも存亡をかけて戦っているものの、ハマス殲滅は不可能でしょう。イスラエルがガザ地区を占領しても、イランなどの支援を受けたハマスが息を吹き返し、激烈なテロ戦が際限なく続く。そうした事態を危惧しています。
(聞き手=坂本千晶/日刊ゲンダイ)