笑い飯は漫才の歴史の中でもパイオニア 「ダブルボケ」で独自の世界観を造りあげた
13日、第59回上方漫才大賞で2014年以来2度目の栄冠に輝いた笑い飯。「M-1グランプリ」では9年連続決勝進出、第1期のM-1終了年に優勝という偉業を達成しました。変幻自在、予測不能のダブルボケで視聴者のみならず審査員も驚かせましたが、「ダブルボケ」自体は決して目新しいものではなく中田ダイマル・ラケット師匠、西川きよし・横山やすし師匠も自在にボケとツッコミが入れ替わる漫才をされていました。しかし、笑い飯ほど徹頭徹尾ボケ続けて、しかも完成度が高いコンビは私の知るかぎり存在しませんから、彼ら独自の世界観をつくりあげたダブルボケは漫才の歴史の中でもパイオニアだと思います。
特別変わった、特殊なボケを言っているというよりも、言葉ややりとり自体は多くの人がわかる、いわゆる“ベタ”なことの積み重ね、“ボケのミルフィーユ”と言えるかもしれません。
初めて2人の舞台を見たのは「M-1」初出場の翌年でした。千鳥、NONSTYLEとともに若手の劇場baseよしもとでトップ3として牽引していた最後の年だったと記憶しています。深々と頭を下げて挨拶してくれました。