著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

「やっぱり本物のジョイスさんがいいね」に安堵したビルボードライブ東京の夜

公開日: 更新日:

 90年代生まれのジョイスが初めて夢中になったアーティストは、今春のスーパーボウル・ハーフタイムショウでの千両役者ぶりも記憶に新しいアッシャー。と書きつつ、どれだけの読者にご理解いただけるか心もとないが、アメリカR&Bシーンの頂点であり、マイケル・ジャクソン~マーヴィン・ゲイ的存在です。ジョイスが人生で最初に手に入れたCDは、そんなアッシャーの2001年の『8701』だそう。同作収録のグラミー賞受賞曲「U Remind Me」の日本リミックスを手掛けていたぼくとしては、それだけでもジョイスとの音楽的な縁を感じずにはいられない。だから、今回の再来日公演にあたり彼女からコラボを持ちかけられてもさほど驚かなかった。ついにその時が来たかという感慨のほうが大きかった。

 こうして、2016年に初めてラジオでかけた彼女の曲「Do You Love Me」の日本語詞バージョンを作ることに。原曲の英語詞を細かく分析してすべての母音を拾うところから始めるのがぼくの訳詞法。英語の音韻だからこそ生まれたグルーブを、日本語でいかに再現できるかが腕の見せどころ。これを書きあげたら、ジョイスからネットで送ってもらったカラオケに仮歌をのせて返送する。ほんの数年前までは〈仮歌さん〉選びに結構な時間を費やすのが当たり前だったが、今ぼくはもっぱら歌声合成ソフトウェア頼みである。人間らしくリアルな声での歌唱が可能な、最新のAI技術で開発されたソフトに「歌わせる」のだ。驚く方もいるだろうが、日本の音楽制作者の間で最早このやり方は珍しくもない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」