下ネタ不遇時代でも武器となる ルシファー吉岡の「悲哀」と「バカバカしさ」
「僕が思いつく面白いことの8割が下ネタなんですよね(笑)。ナチュラルボーンなんです」(城南コミュニティ「笑まる。」20年2月17日)
だが、マセキの“社風”として得意の下ネタを封印していた時期もあった。普通のネタでもそこそこウケてはいたが、だんだん事務所ライブのランクも下がっていき、ついには一番下になってしまった。そこで下ネタを“解禁”すると大きくウケた。一度封印したことで「ただただエロいとか、ただただ下品とか、嫌悪感があるような押し出し方ではなく、バカバカしさを全面に押し出せるように」(Astray「ワラパー」21年1月18日)方向性が定まったのだ。
また、自分の強みは何かと聞かれたルシファーは「悲哀」だと答えている(太田出版「QJweb」24年3月6日)。初めて「R-1」決勝に出場した時に披露したネタも「キャンタマクラッカー」。バカバカしい下ネタだった。その放送後に芸人になることを強く反対していた母からメールがあった。「ゴールデンであんな下ネタやったら、アキャンタマー」(「まいにちdoda」=前出)と。
確かに下ネタは地上波のテレビでは年々厳しくなっているが、ルシファー吉岡の悲哀とバカバカしさは、大きな武器になるに違いない。