KAT-TUN解散で「男性アイドル25周年の壁」説が再燃…SMAP、嵐も超えられないその理由とは
2001年結成のKAT-TUNも“25年の壁越え”ならず
2月12日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属のKAT-TUNが、3月31日をもって解散することが発表された。メンバーの亀梨和也(38、※2月23日で39歳)は同日付で退所し、上田竜也(41)と中丸雄一(41)はそれぞれ個人として同社と契約を継続する。
KAT-TUNは2001年に、亀梨、赤西仁(40)、田口淳之介(39)、田中聖(39)、上田、中丸の6人の頭文字を繋いで結成された。ジュニア時代から、のちのNEWSやSUPER EIGHT(旧関ジャニ∞)メンバーらとデビューを競っていたが、グループとしての人気は群を抜いていた。2006年にCDデビューするも、2010年に赤西、2013年に田口、2016年に田中と脱退が続き、現在の3人体制で活動を継続してきた。だが、結成から25年を前に、遂に解散となる。
旧事務所からの歴史を紐解くと、25年というのはどのグループにとっても難しいようだ。1985年デビューの少年隊が形としては35周年を迎えているが、実質的な音楽活動は2006年までで、21年間となる。
“アイドルグループ人気は20代まで”という常識を、1991年デビューのSMAPが覆した。国民的グループとなって30代、40代となっても最前線の人気アイドルだったが、25周年である2016年に解散した。
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鬼門の25周年を狙える現存グループは…
1994年デビューのTOKIOも、2018年のメンバー脱退により音楽活動を休止しており、現在3人で活動は継続しているものの、アイドルグループとしての活動は24年で事実上終了している。
SMAP後に旧事務所で鬼門とされた25周年を最初に迎えたのは、1995年デビューのV6だった。しかし翌2021年、こちらもメンバーの脱退を機に、26周年をもって解散した。
1997年にデビューしたKinKi Kidsは、現在も活動を続けている。2022年に25周年を迎えており、このままいけば30周年も見えてくる。ただ、KinKi Kidsは2人組で、グループとも呼べるが、デュオともユニットとも呼べる。3人以上のグループと比べると、やや例外的な存在だ。
SMAPの次に国民的グループとなった1999年デビューの嵐だが、2020年から活動休止しており、25周年となる2024年もその復活は無かった。
近いところで25周年を狙える現存グループは、2003年デビューのNEWS(2023年に20周年)、2004年デビューのSUPER EIGHT(2024年に20周年)だ。メンバー構成は、NEWSが9人から3人に、SUPER EIGHTが8人から5人になっている。
アラフォーとなったアイドルたちの人生観
KAT-TUNより後のグループだと、Hey! Say! JUMPが2007年デビューで、20周年はまだ少し先だ。男性アイドルグループにとって25年というのは、なぜ難しいのだろうか。結成やデビューから25年を迎える頃には、最初に長期活動グループとなったSMAPがそうだったように、メンバーが40歳前後となる。
ファンにとって彼らは永遠にアイドルで、まだまだ応援する気があっても、メンバーにとっては、40歳という成熟した大人の齢を迎え、アイドルグループとしての活動に疑問を持ったり、家庭を築いたり、他メンバーと方向性が違ってくるのも仕方のないことだ。
女性アイドルグループだと、最近は30代になっても活動を継続するグループも少しずつ出てきているが、加入と卒業を繰り返すグループだと、25歳前後や30歳前後を節目に卒業するメンバーが多い。
それに比べると、男性アイドルグループのメンバーが、40歳前後を迎えるのが珍しくなくなったのは驚くべきことだ。だが、やはり45歳前後、50歳前後で、複数人で最前線を走り続けるのは、まだ難しいことのようだ。
“SMAPにキムタク2人は共存できない”が意味するもの
KAT-TUNは2001年の結成から、亀梨・赤西がツートップを張っていた2010年までと、それ以降でかなり趣が異なるグループになった。2005年のドラマ「ごくせん」第2シリーズ(日本テレビ系)で、まだジュニアの頃に2人が大ブレイクし、そのままデビューした。
ただ、当時は“SMAPにキムタク2人は共存できない”とも言われていた。グループにエースが2人同時には成り立たない、といった意味だ。
デビュー当初は、本格ブレイク前の先輩・嵐より先に、覇権グループになる勢いだった。デビュー直前に東京ドーム公演を達成し、デビュー曲「Real Face」はミリオンセラー。ただ、あまりの多忙さと、方向性の違いで赤西が脱退し、KAT-TUNのエースは亀梨1人となった。
そこから約14年半、3人になってからは約9年、グループは亀梨を中心につつ、メンバー個々の活動が活発化していき、ここ2年ほどはグループとしての音楽活動がなかった。KAT-TUN存続のために亀梨は“顔”として奮闘してきた。ファンは、「亀梨脱退→解散」という表記を嫌う。亀梨がいなかったらもっと早く、KAT-TUNは解散していたかもしれない。
それぞれにマルチな才能がある亀梨、上田、中丸だけに、今後も個々を応援することはできるだろう。それでも、一世風靡したグループの名前がなくなるのは、なんとも寂しいものだ。
(こじらぶ/ライター)