「日本最高齢の女性映画監督」山田火砂子さん(享年92)の「お別れの会」が開催
1月13日に誤嚥性肺炎・敗血症で死去した映画監督の山田火砂子さん(享年92)の「お別れの会」が25日、ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会(東京都新宿区)で行われ、ファンや関係者数百名が別れを惜しんだ。
山田監督は1932年東京生まれ。戦後は、女性バンド「ウエスタン・ローズ」として活躍後、浅草で舞台女優として活動。その後、「現代ぷろだくしょん」に参加し、同社の代表で映画監督の山田典吾氏と共に映画プロデュサーとして、「はだしのゲン」「裸の大将放浪記」などを制作。金策に駆け回った。
1996年、64歳にしてアニメ映画「エンジェルがとんだ日」を初監督。その後、「石井のお父さんありがとう」(04年)、「母 小林多喜二の母の物語」(17年)、「一粒の麦 荻野吟子の生涯」(19年)、「わたしのかあさん -天使の詩-」(24年)など、精力的に全10作のメガホンをとった。
その作品は、「福祉映画」と呼ばれ、自身も知的障害者の長女を育てた経験から、福祉、障害者、男女差別、子育てなど、常に社会の在り方や家族がテーマになっていた。「大地の詩 留岡幸助物語」(11年)で、北海道で不良少年の厚生に尽力した主人公を演じた俳優の村上弘明氏はこう語った。
「撮影の合間に『悲しみや苦しみは、喜びよりも何十倍も深い。それは人間が成長するための神様が与えてくれた壁、きっかけだから。それを乗り越えられるから与えられたんです』と話していただいたことが今でも印象に残っています。どんなに苦しい時も常にポジティブで前向き。大好きな映画でとても大きなお仕事をされたと思います。同時に、チャーミングで可愛らしい方でした」