大谷1カ月ぶり投球練習再開は、あくまでテストとガス抜き…2度目の手術の成功率は約61%
いよいよ二刀流がスタートする──。
日米のメディアが騒いでいる。ドジャースのロバーツ監督が日本時間25日、大谷翔平(30)に関して「30日にブルペン投球を再開する」と明言したからだ。
「2度目の右肘手術と左肩手術の後だけに、できる限り慎重にやっていかなければならない」(ロバーツ監督)
大谷のブルペン投球が実現すれば、2月26日以来、実に32日ぶり。東京開幕に合わせていったん肩を休め、打者としての調整に専念してきたが、再び投手としての本格的な調整を始めるというのだ。
しかし、だからといって、大谷が今季、投手としてフル回転するとは限らない。何しろ2度目の手術明けだ。アメリカ医療協会によれば、1度目のトミー・ジョン手術は約90%が以前のように投げられるが、2度目の選手の成功率は約61%だという。
加えて大谷の場合、1度目の手術明けだった2020年は計2試合、1回3分の2を投げただけで防御率37.80。前腕の筋肉に損傷が生じた。本来の投球ができるようになったのは21年、つまり手術明け2年目だ。
つまり実戦で投げてみないことには、正確な状態が把握できない。ロバーツ監督が「できる限り慎重に」と言うように、今回のブルペン投球再開はあくまでもテストの意味合いが強い。特派員のひとりがこう言う。
「注意深く調整を進めながら、6月くらいに一度、実戦で起用する青写真でしょう。復活の手応えを得られるようなら、いったん調整のペースを落としてプレーオフに照準を合わせる。手術明けのハンディを考慮すれば、6月からフル回転したのではプレーオフまでもたないかもしれませんから。思うような結果が得られなければ、時間をかけて投手としてイチからつくり直すことになる。エンゼルス時代の手術明け1年目のように、肘や前腕に異常が出るようであれば、今季中の投手復帰は見送る可能性が高い。ドジャースの投手陣は飽和状態。大谷の投手復帰を急がせる必要性はまったくありませんからね」
場合によっては、大谷の本格的な投手復帰が来季以降にズレ込む可能性もあるようなのだ。