「災害とデマ」堀潤著
「災害とデマ」堀潤著
災害時、SNSによって大量の偽情報や、AIによって作られた嘘の画像・映像が流布する。長年、災害報道に携わってきた著者は、デマそのものが人々を動かすことよりも、ある程度のリテラシーを身につけた人が「簡単に信じてはいけない」と情報から距離を置くことで、本当のSOSを遠ざけてしまうことに危機感を抱いているという。
災害時、著者は自らのLINEのIDを公開。被災当事者と連絡を取り合い、自ら立ち上げた市民メディアを通じて、情報の空白を埋める報道を続ける一方、自身も現場に駆け付けてきた。
その活動で得た経験をもとに、関東大震災や福島原発事故、そして能登半島地震など、災害時に出回るデマの実態を伝え、それらに対抗するにはどうすべきかを考察する。 (集英社インターナショナル 1045円)