日本最高齢の女性映画監督 山田火砂子さん(91歳)「障がい者への差別意識は昔の軍隊と同じ発想」
昭和99年ね。私が昭和7年生まれで、92歳になるんだから、確かにそんな年になるんですね。
この年になって、なんでこんなに元気に撮ってるかって? 自主上映会で流す作品がなくなってきたから作ってるだけですよ(笑)。
今度の映画「わたしのかあさん」は、知的障がいがある母(寺島しのぶ)を持つエリートの娘(常盤貴子)の葛藤と成長を描いています。相模原市の障がい者施設大量殺人事件(2016年)があって、日本ではいまだにこんなことがあるんだと驚きました。かつてはダウン症の子が「お化け」なんて言われていた酷い時代があったんですよ。
本当の「共生社会」はどうあるべきか。私自身も障がいを持つ子を育てましたが、相模原の事件の犯人が「意思疎通のできない人は社会に必要ないから殺すべきだ」と主張していて、それに賛同する人がインターネット上でたくさんいるなんて信じられないと思って。それは昔の軍隊(日本軍)と同じ発想ですよ。人を人とも思っていない、役に立たないやつはいらないって。そういう考え方が戦争につながっていくんです。