「論破という病」倉本圭造著

公開日: 更新日:

「論破という病」倉本圭造著

 SNSには、あらゆる罵り合いがあふれ、いかに華麗なレトリックで「敵」を攻撃し、小さな世界の英雄になるかだけしか眼中にない「論破という病」が蔓延している。

 この「論破という病」を乗り越えるためには、「我々善人たちの敵」を徹底的に打ち倒しさえすれば全てがうまくいく、という「20世紀型の妄想」から目を覚ます必要があると著者は指摘する。不毛な議論から脱却し、「敵」を論破することではなく、協力し合って具体的な問題解決を行うことこそが、令和の議論の目的となるべきだと。

 その際に大切なのは、著者が「メタ正義感覚」と呼ぶ、相手が持つ正義も自分が持つ正義も両方尊重する世界観だという。

 論破という病を克服し、放置されたままの問題を解決する方途を示す現代社会論。 (中央公論新社 1210円)




最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    俳優・山口馬木也さん「藤田まことさんは『飲め、飲め』と息子のようにかわいがってくれた」

  2. 2

    前代未聞の壮絶不倫・当事者のひとりがまたも“謎の欠場”…関係者が語った「心配な変化」とは???

  3. 3

    テレ朝ナスD“経費横領&パワハラ処分”に「見せしめ」の声も…家族団らん投稿の美人料理家妻に同情集まる

  4. 4

    自信なくされたら困るから? 巨人・田中将大がカブス戦登板「緊急回避」の裏側

  5. 5

    東原亜希の“黒帯バスローブ密会”乗り越えた「許す力」は佐々木希以上? 経済的自立も目指す強心臓とたくましさ

  1. 6

    料理研究家の森崎友紀 “本業”専念も恋愛は「年も年なので」

  2. 7

    兵庫県パワハラ知事に残った選択肢は「議会解散」のみ…多数派工作で延命図るか?味方は“情報漏洩3人組”のみ

  3. 8

    あす旧統一教会に解散命令か? N国党に急接近の不気味、タダでは転ばない悪あがき

  4. 9

    巨人の“アキレス腱”は絶対的セットアッパーが使えないこと…新助っ人キャベッジで外国人枠「満員」

  5. 10

    佐々木希が「芸能人格付けチェック」で"地雷キャラ"といじられ…夫・渡部建を捨てないもう1つの理由