愛と欲望の平成グラビア史 キーワードは“巨乳”と“癒やし”
平成は“グラビアアイドル”という名称が誕生し、水着グラビアが全盛を迎えた時代。「巨乳」「癒やし系」「着エロ」「モグラ美女」――多くのトレンドが生まれた愛と欲望の30年を振り返る。
「榊原郁恵や河合奈保子ら、昭和の時代にも胸の大きなアイドルはいましたが、決してそれをウリにはしていませんでした。しかしAVの影響などもあり、90年代の初めに“巨乳”という言葉が定着すると、それを前面に打ち出した野田義治社長率いる『イエローキャブ』の巨乳軍団の女の子たちが次々と人気になりました。これが平成のグラビアの方向性を決定づけたと思います」(グラビア雑誌編集者)
平成の初めから半ばまで、イエローキャブはかとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこ、山田まりや、佐藤江梨子、小池栄子といった巨乳美女を次々と登場させ、シーンをリードし続けた。カメラマンの野村誠一氏は当時をこう述懐する。
「ほとんどの子の写真集を撮りましたよ。特に印象に残っているのは小池栄子ちゃんかな。もちろんグラマーな体つきや、りりしい目つきは印象的でしたが、その後たまたま見に行った『劇団☆新感線』のお芝居でとてもいい演技をしているコがいたんです。よく見たらそれが栄子ちゃんでびっくりしました。野田さんの戦略もあって、その後はみんな、女優やタレントとして成功していきましたよね」
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●1989(平成元)年
バスト96センチのかとうれいこがクラリオンガールに選出される。
岡本夏生や飯島直子がレースクイーンとして脚光を浴びる。
●1990(平成2)年
細川ふみえが第9回「ミスマガジン」(講談社)グランプリを獲得。
●1991(平成3)年
宮沢りえのヘアヌード写真集「SantaFe」発売。165万部の大ヒット。
「ギルガメッシュないと」(テレビ東京系)放送開始(~1998年)。細川ふみえが司会を務め、Tバック姿の飯島愛も人気に。
●1992(平成4)年
「フジテレビビジュアルクイーン」がスタート。
●1993(平成5)年
ヘアヌード写真集がブームになる一方で、いわゆる80年代の「アイドル」に代わり、「グラビアアイドル」という名称が定着する。
●1994(平成6)年
雛形あきこがデビュー。「雛ポーズ」で大ブレーク。所属事務所である野田義治が率いる「イエローキャブ」の巨乳美女が脚光を浴び、“巨乳ブーム”が巻き起こる。
「トゥナイト2」(テレビ朝日系)放送開始(~2002年)。岡元あつこ、しいなまお、原田里香ら、多くのグラドルがリポーターを務めた人気番組だった。
●1995(平成7)年
バスト95センチIカップの青木裕子がデビューし人気に。
●1996(平成8)年
深夜番組「BiKiNi」(テレビ東京系)放送開始(~1999年)。山田まりやが司会を務め、嘉門洋子や安西ひろこらが出演。