著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。“東京の異界シリーズ”第5弾「高田馬場アンダーグラウンド」(駒草出版)発売中。「全裸監督 村西とおる伝」(新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixから世界190カ国同時配信決定。

キャンピングカーに寝泊まり 日曜の朝からテレビ局に営業

公開日: 更新日:

「野田さん、飯の時間、いつもおいしそうに食べていましたよ。あっという間に食べ終わると、“ごちそうさん”って、流しに茶わんを置いてすぐに外に止めてあるキャンピングカーに乗って、営業ですよ」(ターザン八木)

 野田義治にとってダイヤモンド映像は気心の知れたアジトであった。

 外で仕事をしてきた後でダイヤモンド映像に立ち寄り、空腹を満たそうとテーブルを囲む。オカズがないときは、ご飯に生卵をぶっかけてかっ込んだ。

 広いリビングルームには、その月にデビューする新人女優のポスターが貼られていた。松坂季実子で大当たりしてからは、村西とおるは巨乳ばかりデビューさせた。普段の面接では通過しないルックスでも、巨乳なら一度は主演のチャンスを与えた。実際に巨乳ものはよく売れた。

 村西をはじめ日比野、八木、藤原は、ポスターに使う新人巨乳女優の写真を選ぶ際に、神経をすり減らした。どんな写真を使うかで、新作の売り上げがまったく異なってくるのだから。


 さほど美人というわけでもなく地味な顔立ちの新人がポスターになった。やはり巨乳だった。八木をはじめスタッフたちが選んだ、美人に写った奇跡の一枚に違いなかった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方