ジャニー喜多川氏「性加害」の原因と指摘 性嗜好異常(パラフィリア)とは…専門家が解説
片田氏は「治療は決して簡単ではない」と言うが、「性嗜好異常」が性犯罪の要因になる一方で、そのすべてが犯罪に直結するわけでもない。
■被害は数千人規模
「ジャニー氏の一連の行動は、ある種“性行為への依存症”だったと考えられます。薬物依存やアルコール依存などでよく用いられる『イネイブラー』という用語がありますが、薬物を買うお金を渡したり、尻拭いをしたりして、周囲が依存症を助長させてしまうことを指します。今回の件もジャニー氏の性加害を長年可能にしてしまった環境要因、すなわちイネイブラーの存在が大きいと思います。ジャニー氏の要求を受け入れないとデビューできないなどの権力構造、メリー氏による黙認と隠蔽、ジャニーズ事務所やマスコミが“見て見ぬフリ”を続けてきたことなど、すべてがイネイブラーとして働いたと考えられます」(片田氏)
被害者となったジャニーズJrの数は数千人規模とも伝えられているが、半世紀以上にわたる“戦後最大の性犯罪事件”を生み出してしまった周囲の責任はあまりにも重い。