「イライラのもと」を探しだす
「怒り」という感情は、相手が自分の想定したように行動したり、反応しないときに湧いてきます。裏を返せば、相手に対して自分が期待している何かがあるということなのです。
例えば「今日こそは商談をまとめてくるはずの部下が失敗した」「仕事で疲れ果てて帰宅した途端、妻の愚痴が始まった」……。こうした時の怒りやイライラは、すべて期待を裏切られた結果によって生まれます。その落胆や悲しみが怒りに変わっていくのです。
怒りを手放すためには、まずはここに気づくことが大切です。「怒りとなって表れている根っこの気持ちは何なのか?」と「怒りのもと」を探し出すのです。
前述した例だと「部下が期待に応えてくれずに落胆した」「妻が期待していたいたわりを示してくれず悲しかった」が「怒りのもと」です。そうした「怒りのもと」をしっかり認識することができれば、怒りが「悲しみ」や「落胆」といった別の感情にシフトしていきます。
もちろん、これらの感情も決して気持ちがいいものではありませんが、怒りでイライラしたりキレたりするよりはずっとマシ。健康にも人間関係にもダメージが少なくなります。