「あきらめ」も必要
カウンセリングしていく中で、Kさんは次第に「部長を変えるのは無理だ」ということに気づきました。すると、部長への非難ばかり話していたKさんが劇的に変わり、今まで考えもしなかったアイデアが次々とひらめき始めたのです。
まず、あらかじめ部長の直しに使う時間を計算した上でスケジュールを組む。単純な直しは今まで頼んでいなかった部下に頼む。同時に人事に異動願を提出し、密かに転職活動も始めたといいます。「今後どうなるか未知数ですが、とりあえず今はイライラしないことに徹します」と話すKさんは晴れ晴れとした表情でした。参考にしてみてください。
▽奥田弘美(おくだ・ひろみ) 精神科医。日本医師会認定産業医。山口大学医学部卒。都内20カ所の企業でビジネスパーソンの心身のケアを行いながら、「銀座スキンクリニック」ではコーチング・カウンセリングも行う。著書多数。5月16日には新著「女医が教える 働く男の怒りと疲れをパワーに変える処方箋」(メディカルトリビューン)を発売。