500万人が悩む「便失禁」 保険で症状を改善できる
ところが今年4月、新たな治療法が保険適用になった。「仙骨神経刺激療法」だ。排便に関する神経に持続的に電気刺激を与え、便失禁の症状を改善する。欧米では20年ほど前から行われてきた。
「体外からの電気刺激を一定期間行って、十分な治療効果が見られたら、心臓ペースメーカーのような装置をおしりに埋め込み、治療を継続します。便失禁の症状が完全になくなる治療ではありませんが、日本で行われた臨床試験で、仙骨神経刺激療法開始後、6カ月で、1週間の便失禁の回数が半分以下に減少した患者さんが約8割いました」
山名部長は「仙骨神経刺激療法は画期的な治療法ですが、そこまでやらなくても、専門医の治療を受けて便失禁が改善される方はかなりいます。何年、何十年とひとりで悩んでいる人もいます。とにかく、病院を受診してほしい」と言う。
茶色いシミに怯えずに済む日がやってくる。