米国では毎日44人が死亡…死を招く「痛み止め乱用」
「病院で処方されるのは麻薬系鎮痛剤が中心で、常用性があり、痛みを鎮めるためというよりも、気分を良くするために使う人が増えているからともいわれています。また、病院に行かず他人の余った処方薬をもらって飲むといった人も多く、トラブルに拍車を掛けているのです」(前出の商社マン)
その対策のため、麻薬性鎮痛剤の処方を90日間分以内に抑えるようルールを改正するなどしているが、明確な結果は出ていない。
■日本でも鎮痛剤で体調を崩す患者が増える可能性
日本はどうか。「六号通り診療所」の石原藤樹所長が言う。
「鎮痛剤は麻薬系と非ステロイド系に分かれています。日本では後者の中でも安全性の高い、アセトアミノフェンが主流。そのため、米国ほど被害は出ていません。しかし、少なからぬ健康被害は出ており、注意は必要です」
50代のある男性は、腰痛のため貼り薬を使用中に風邪をひき、大量の風邪薬を飲んだ後に体調不良となって診療所に駆け込んできたという。