米国では毎日44人が死亡…死を招く「痛み止め乱用」
「男性はおしっこがオレンジ色で、白目が黄色く濁る黄疸症状が出ていました。明らかに肝臓に障害が出ており、近くの総合病院に送ったところ、即入院になりました」(石原所長)
この患者さんは風邪薬を飲む前に、大量の飲酒をする日が続いていたという。
「非ステロイド系鎮痛薬は腎臓の血流を低下させるため、腎機能を悪化させることがあります。また、心筋梗塞や心不全を増やすというデータもあり、心臓や腎臓の悪い人、血圧が高い人は気をつけなくてはなりません。安全とされるアセトアミノフェンも、お酒の後で飲むと、代謝産物が毒性を持ち、肝臓に障害を起こすことがあります」(石原所長)
問題は今後、日本でも鎮痛剤で体調を落とす患者さんが増えていく可能性があることだ。
「いまは医師の処方が必要だったスイッチOTC薬が薬局で買えるようになっているうえ、用途別にさまざまな鎮痛剤が出ていて、知らず知らずのうちに危険な量を超えてしまうケースがあるからです」(石原所長)
体調不良はなんでも薬で解決、なんて安易に考えるとかえって体を壊すことを覚えておこう。