認知症の母を記録し映画に 女性監督が提示する介護の選択肢

公開日: 更新日:

 兵庫県西宮市で3月7日、「かいご学会」が開かれた。登壇者のひとり、映画監督の関口祐加さんの話は、介護に不安を抱いている人に、“別の見方”を提示するものだった。

 関口監督は認知症の母親の在宅介護のために、29年間住んだオーストラリアから2010年に帰国した。

「認知症を疑って最初に連れて行った町医者が母に、『100-3は?』と聞いたんです。認知症を診るテストのひとつなんですが、その瞬間、プライドの高い母がムッとした。それ以来1年間、医師を拒否。昼間は寝るばかりの引きこもりになり、風呂にも入らなくなりました」

 医師は「閉じこもりはよくない」「外を歩かせなければいけない」と一方的に言う。しかし、母は嫌がる。そこで思ったのは、「WHYの法則」が必要なのではないか、ということだった。

「なぜ母は引きこもりを選択したのか。理由を考えた時に答えをくれたのは、順天堂大医学部の新井平伊教授でした。『認知症は、実は初期がつらい。まだらボケは、自分に何が起こっているかが分かる。できていたことができなくなった自分が苦しくて、閉じこもっているのでしょう』と」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで