苦しまないという意味では致死性不整脈が“理想的”かも
多くの人が漠然と「長生きしたい」と考えるようになってきている印象です。しかし、私は早死には決して負けではなく、「早死にを笑うな」という思いを強く持っています。
たとえば、人生において自分がどうしてもやりたいことが仕事だという価値観を持っている人がいます。そういう人は一心不乱に働き、成功すればするほどプライベートな時間がなくなるという“落とし穴”があります。睡眠や食事といった生活のリズムも乱れて健康が犠牲になり、結果的に早死にしてしまうケースは少なくありません。
そうした短命な人に対し、「身を削って働いて早死にするなんてバカなヤツだ」と笑う人は多いでしょう。しかし、自分の才能や可能性、価値観を追求し、やりたかったことを思い切りやれた人生だったともいえます。早死にだったとしても、その人の価値が下がるわけではなく、敗者でもありません。尊いひとりの人間の人生なのです。
ご家族がある人の場合、早死にすると残された子供は苦労するかもしれません。しかし、子供は親の死を糧にしながら強く生きていくものです。