鼻炎を招く危険も つらい鼻づまりは薬の多用で悪化する
こやま薬局の企画運営部主任で、管理薬剤師の中尾隆明氏は言う。
「鼻づまりを改善する点鼻薬には、大きく分けて3つのタイプがあります。1つ目はステロイドによって炎症やアレルギーを抑えるもの。2つ目は抗ヒスタミン薬によってアレルギーを抑えるもの。3つ目が血管を収縮させることによって鼻の粘膜の腫れを解消するタイプです。市販で手軽に入手できる点鼻薬は、血管収縮剤が含まれているタイプが多い。鼻の粘膜には毛細血管が無数にあり、そこに血液が過剰にたまって充血すると、粘膜が腫れて鼻づまりを起こします。血管収縮剤が含まれているタイプの点鼻薬は、毛細血管を収縮させて充血を解消し、腫れを緩和して鼻づまりを改善するのです」
■安易に点鼻薬に頼ってはいけない
血管収縮タイプの点鼻薬は即効性があり、すぐに鼻づまりが解消される。しかし、効くからといって頻繁に使用していると薬剤性鼻炎になり、逆に鼻づまりを悪化させてしまう。
「人間の体は、薬を繰り返し使用していると、その薬に対する抵抗性が表れ、次第に薬が効かなくなっていきます。点鼻薬も同様で、長期間使い続けているうちに効果が小さくなっていきます。効かなくなってきたからといって、頻繁かつ大量に使うようになると、今度は使用前より血管が広がって鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりが悪化する。これが薬剤性鼻炎です」(中尾氏)