待ったなしの更年期、すこぶるつらい「おばさんの生理」どう乗り越える?【日日更年期好日 #08】

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コクハク

おばさんサイン、点灯

 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。
 第8話は「おばさんの生理はすこぶるつらい」。

【日日更年期好日】

 毎週、更年期を迎えた女性の不調について綴っているけれど、書いても書いても不調ネタが尽きない。

 ひょっとしたら大きな病気を抱えているのではないかと懊悩(おうのう)。ああ、これも更年期障害の症状のひとつだろうか。すみません、基本は元気です。

 今回はおばさんになってから、生理がしんどくなったことがテーマなので、けして病気云々ではない。なぜキツくなってきたのかといえば理由はカンタン、生理機能を動かす体にガタが来ているのである。

 20代も50代も生理は変わらないのに、受け止める体力は雲泥の差。新築物件なのか、築30年マンションなのかで相当の印象差があることと同じだ。

 ちなみに私は超低容量ピルを医師の処方のもと、30歳から服用している。

 そのおかげで生理周期も安定しているし、生理痛、経血量、PMSに悩むこともないはずだった。が、40代後半に突入以降、少しずつ症状が変わり始めた。おばさんサインが点灯したのだ。

【こちらもどうぞ】更年期、私はこれで対処しています①漢方薬服用歴15年超、「意味あるのか?」と医師に尋ねた

絶好調は1カ月のうち、たったの2週間…

 まずPMSの期間が長くなった。それまでは生理スタートの1週間前に胸のハリを感じて、食欲が増し、イライラして周囲に当たるまでが症状のセットだった。

 それが2週間前から症状として表れるようになってきた。これは本当につらい。

 加えて浮腫みに、食欲倍増に、軽い生理痛。終始、憂鬱だ。時々、腰の痛み(生理痛)もうっすら出てくるようになった。それでも年齢的に超低容量ピルを、低容量ピルに切り替えることもできないので、黙って耐えるのみ。

 この長い忍耐期間を経て、出血が終了すると絶好調! となる。どんな様子なのかといえばアニメ『アルプスの少女ハイジ』となって、スイスの山をスキップしている気分に近い。

 絶好調の期間には明日を気にせずにアルコールを嗜み、運動もする。1回につき20~140mlの経血量のある生理期間は、本来であれば安静にしているのが望ましい。

 でも社会人ともなるとそんな簡単に休むわけにもいかず、ナプキンをつけながら、何もなかったような顔をして職場へ向かう。

 若い頃は生理中に酒を飲んでも、徹夜をしても平気だった。それがおばさんともなるとそうはいかない。スキップ期間を狙って、スケジュールを組むしかない。

 ただスキップ期間はそんなに長く続くものではない。中年女性がまともな状態で生きていられるのは1カ月のうち、たったの2週間しかないのだ。殺生よのう…。

第2反抗期=更年期がきている

「キツい」「しんどい」ばかりを並べていても、鬱々としてきそうなので、最近の生理期間は「ま、仕方がない。どうにかなる」と自己肯定感を高めることにした。要するに自分を甘やかすのだ。

 食欲に襲われたらもう食べる。夜中のサッポロ一番だって上等だ。我が家のエンゲル係数がどうなるかは後々、考える。仮に食費がアップしたとしても、これは我が身を守るための必要経費。

 イライラしてきたのなら、その気持ちに従う。

「(よくわからないけれど)ムカつく!」

「なんでメールをちゃんと返信してこないの?」

「掃除当番、今日はあなただって言ったじゃん」

「ビンの蓋が開かない!」

 理由は千差万別だけど、生理前はワケもなく、自分でもよくわからないまま、目に入るすべてのものがイライラするのがおばさんの生理。人生2度目の反抗期が毎月やってくる。

先手の宣誓が功を奏す
 こんな調子なので周囲の親しい人には「今日、生理だからイライラしたらごめんなさい」と先に謝ってから、イライラを爆発させている。生理だけではなく第2反抗期=更年期と定義をしても間違いはないので、カリカリしてきたら、

「当たってしまったら申し訳ない。でもいつかみんなも来ることだから、ロールモデルだと思ってください…」

 と、宣誓。今のところ、人間関係は破綻していないので、人間の生理現象だと理解してもらえているらしい。

 この孤軍奮闘はいつまで続くのか。

 そういえば先日、生理専用ショーツがだいぶくたびれきたので、買い換えようと計画が脳内をよぎった。

 でも待てよ。これ、いつまで使うのかは分からない。来月、閉経することもあり得るのだから、と購入を踏みとどまった。できれば現在のショーツのまま、数十年間の生理物語の大円団を迎えたい。

 次回(#9)へ続く。

(小林久乃/コラムニスト・編集者)

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