日本で唯一認可されている「抗肥満薬」の効果と副作用

公開日: 更新日:

都内の40代開業医

 肥満だと、高血圧症、糖尿病、心血管障害、膝関節痛など、さまざまな病気を発症するリスクが増します。

 医学的には、「肥満」は「BMI」(体重を身長の2乗で割って求められる体格指数)が25以上の人をいい、「肥満症」とは、これに加えて健康障害を合併するか内臓脂肪が過剰蓄積した場合をいいます。BMIが35以上になると「高度肥満」と呼ばれます。

 肥満になれば、誰もが「健康のためにもやせなくてはいけない」と思うものですが、実現するのは大変難しい。食事制限や運動などを試して失敗する人は、後を絶ちません。中には「自分は意志が弱いダメな人間だ」と嘆き、うつを発症する人もいます。

 ならば、「薬で肥満を治せばいいではないか」と思う人もいるはずです。実際に、日本では中枢性食欲抑制薬の「マジンドール」が唯一、認められています。中枢性食欲抑制薬とは、食欲をコントロールしている脳に作用して、やせさせる薬のことです。

 そもそも人の食欲は、脳の視床下部と呼ばれるところにある満腹中枢と摂食中枢によって制御されています。脳内の神経伝達物資であるドーパミンの刺激により、「腹が減った」「満腹だ」と感じるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド