【糖尿病】部下の手前、酒はやめたと言えなかった

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 身長170センチ、体重89キロの藤田さんに、血糖降下剤の飲み薬、「アクトス」など3種類の薬と同時に、「食事療法」のメニューが渡された。

■残業時は1日4食も

 その後、毎月1度帰宅したときに、主治医を訪ねて血液検査をして、1カ月分の薬(約3000円)をもらっていた。しかし、単身赴任中の藤田さんは、朝食や夕食も、カロリーなど考えることもない。残業の時は1日4食にもなった。

「一応、脂肪分の少ない食品とか気を使っていましたが、野菜だけでは腹が減ります。また、私は10余人の部下を持っていました。カロリーオーバーになりがちな酒席は良くないとは思っていました。しかし、いまさら部下との酒席で、酒をやめたとは言えない。相変わらず、酒は飲んでおりました」

 投薬治療を始めてから5年、10年過ぎてもHbA1cや血糖値の数値が変わらない。

 数値は高止まりのまま、やがて藤田さんは60歳の定年を迎えた。主治医から、「藤田さん、食事療法は、全然守っていないでしょう? 会社を退職したのだから、食事療法や、また『運動療法』も実行してください。糖尿病を甘く見ていると最悪、失明や壊疽になりますよ」と、脅かされてしまう。

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