著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

手荒れしにくくなる? 手洗いは冬でも「水」がいい

公開日: 更新日:

 外出先から戻った時に手を洗っていますか? 風邪の予防に「帰宅後の手洗いが良い」というのは、科学的にも証明されている事実です。

 2012年のスペインの研究では、「手洗いをマメにする人はインフルエンザの感染が40%も予防された」という結果が出ています。特に電車や病院など、細菌やウイルスがたくさんいることが想定される場所から帰った時に効果が高いのです。この場合の手洗いは、アルコールなどの消毒剤を使用しなくても、普通のせっけんでしっかり洗うだけでいいのです。

 ただ、せっけんにも界面活性剤という汚れを浮かすような成分が含まれていて、この界面活性剤を繰り返し使用すると、「接触皮膚炎」という手荒れの原因になります。この手荒れが起こると、皮膚の感染予防の働きも低下してしまうのです。

 実はこの皮膚炎が起こりやすいかどうかは、手洗いに使う「水の温度」に影響されることが証明されています。1995年の研究ですが、「4度」と「20度」と「40度」の温度の水で手洗いを繰り返したところ、皮膚が一番傷まなかったのは、4度の水による手洗いでした。

 冬は水が冷たく、手洗いや洗い物にはつらい季節ですが、お湯は使わず、水を使って手を洗うことが、皮膚の健康を守るためには大事なことのようです。手洗いは冷たい水が正解なのです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトB悪夢の本拠地3連敗「2つの敗因」…26イニング連続無得点よりも深刻なチーム事情

  2. 2

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  3. 3

    石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜

  4. 4

    3人の婚外子…菊川怜の夫・穐田誉輝氏“暴かれたスネの傷”

  5. 5

    ソフトバンク 投手陣「夏バテ」でポストシーズンに一抹の不安…元凶はデータ至上主義のフロントか

  1. 6

    橋本環奈のパワハラ疑惑のこと? 嵐・二宮和也の正月番組のワンシーンが視聴者の間で物議

  2. 7

    橋本環奈《山本舞香と友達の意味がわかった》 大御所芸人に指摘されていたヤンキー的素地

  3. 8

    大谷翔平は来季副収入100億円ガッポリ、ド軍もホクホク! 悲願の世界一で証明した圧倒的経済効果

  4. 9

    夏菜の二の舞か?パワハラ疑惑&キス写真で橋本環奈に試練…“酒浸り”イメージもそっくり

  5. 10

    いまや大谷ドジャースこそ「悪の帝国」だ…カネ&人気&裏技フル活用でタンパリング疑惑まで