寛解率30~40% うつ病は「磁気刺激」で吹き飛ばせる
TMS治療は、患者がリクライニングチェアに座った状態で行う。刺激装置に付いた専用コイルを頭に当てて磁場刺激を与える。
「標準的には、10ヘルツの磁場で左前頭前野(左側のおでこ)を刺激します。4秒間(40発)の刺激を26秒間隔で75回(約40分間)繰り返します。これを週5回、平均6週間続けます」
■気になる副作用は?
この磁場刺激によってうつ病に関与する脳の前頭前野の血流量が増大し、神経ネットワークが修復される。また、ドーパミンやノルアドレナリン、神経栄養因子なども関与している。これらの脳内の効果は、脳の血流を画像でとらえるスペクト検査などで確認できているという。
副作用は、20~40%の人に治療中に頭痛、刺激部位の痛み、顔や額の筋収縮、不快感などが見られるが、治療を中止するほどではない。
注意する有害事象では、けいれん発作の誘発が0・1%未満と報告されているが、けいれんの既往や服薬している薬の種類、要因となる寝不足、飲酒などを問診で確認することで十分防げるという。