風邪で「葛根湯」 効く人・効かない人の違いを医師が解説
「風邪には葛根湯」と医者ですら言うが、専門家によれば、「葛根湯が向かない人」も、思っている以上にいるという。
葛根湯を飲んでも効かなかった。こんな時、漢方薬にちょっと知識がある人は「飲むタイミングに問題があった。風邪のひき始めに飲まないと効かない」と指摘する。
しかし、必ずしも正しくない。
「『風邪のひき始めに飲む』は、葛根湯に限らずほかの漢方薬にもいえること。葛根湯が効かないのは、体質に問題があるからです。つまり、葛根湯が効く体質でない人は、ベストのタイミングで葛根湯を飲んでも効きません」
こう話すのは、筑波大学付属病院臨床教授の加藤士郎医師。葛根湯が効く典型的なタイプは、「日頃から体力があって暑がり」「風邪の症状として強い寒けがあり、首や肩が凝り、高めの熱が出る」、さらに「脈を強く打っている」。加藤医師によれば、こういう人が葛根湯を飲むと2日ほどで熱が下がり症状が改善する。
一方、葛根湯が効かない典型的なタイプは、「日頃から体が冷えている。食が細い」「風邪の症状として寒けは弱く、発熱がさほど見られない。しかし冷えや脱力感があり、咽頭痛があったり、くしゃみや鼻水が強い」、そして「脈が弱い」。