寛解率30~40% うつ病は「磁気刺激」で吹き飛ばせる

公開日: 更新日:

 磁場を発生する刺激装置を使い、うつ病を治療する「TMS療法(経頭蓋磁気刺激治療)」。自由診療や臨床研究で行われているが、効果はどれほどなのか。この治療法に詳しい国内の第一人者、国立精神・神経医療研究センター病院・精神先進医療科の鬼頭伸輔医長に聞いた。

 うつ病の治療法には「精神療法(認知行動療法や心理教育)」と「薬物療法」があり、一部のうつ病には「電気けいれん療法(ECT)」が行われてきた。

「国内のうつ病患者数は約100万人と推計され、社会的経済損失の大きい病気の第2位です。国内外の診療ガイドラインでは、中等症以上のうつ病には薬物療法が推奨されていますが、薬が効かない患者さんが約30%います。その人たちをどうしたらいいかと、臨床研究が進められてきたのがTMS療法です。米国では2008年にうつ病に対して認可されています」

 基本的にTMS療法の対象となるのは、「ECTが推奨される状態を除く、中等症以上の薬の効かないうつ病」。薬の副作用で薬物療法が続けられないような人の場合も対象となるという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド