早期発見がカギ 胆のうがんは進行すると根治手術が難しい
胆のうは、胆汁をためて濃縮する袋で、胆管は胆汁を十二指腸に出す管のことです。合わせて「胆道」といいます。胃に食事が入ると胆のうの袋が収縮し、たまったたくさんの胆汁を胆管に出し、十二指腸に流れ出ます。
胆汁には消化酵素は含まれていませんが、十二指腸で膵液と一緒になり、脂肪やタンパクを分解して腸からの吸収をしやすくするのです。便が黄色いのは胆汁によるものです。
ですから、黄疸が表れた時は便の黄色みはなくなり、白くなります。
胆道がんには「胆管がん」と「胆のうがん」があります。胆管がんは、Nさんのように早期でも黄疸をきたすことがあるため、その際に見つかりやすいといえます(肝内胆管がんは別)。
しかし、胆のうは袋ですから、そこにがんができても早い時期には黄疸症状はないことが多く、見つけにくいのです。また、胆のうの筋層には粘膜筋板という組織がなく、胃や腸の壁よりも薄いことから、がんが周りに広がりやすい傾向があります。そのため、胆のうがんでは進行した状況で見つかることが多いのです。