運動するなら食前と食後のどちらがベターなのか?
運動する前は何も食べないほうが、体脂肪が燃焼しそうな気がしますが? 臨床栄養実践協会理事長の足立香代子先生が教えてくれました。
「空腹時に運動すると、むしろ太りやすくなります。血糖値が下がりすぎて『糖新生』が起こるからです」
糖新生とは、下がりすぎた血糖値を上げるため、主に肝臓から糖がつくり出されること。数回食事を抜いても生きられるのは、糖新生により血糖値が維持されるからです。
空腹で運動するのは絶食と同じことで、糖新生が盛んに起こります。
すると血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌し、また糖新生が起こり……という繰り返しが起こります。
「インスリンが過剰に分泌すると、血糖値を一定に保つために余分な糖が脂肪としてため込まれます。これが空腹で運動すると太る理由の一つです」
もう一つの理由は、運動後に炭水化物を食べすぎてしまうこと。糖新生により血糖値は上がっているものの、脳は猛烈に糖質を欲していて、どうしてもご飯、麺、パンをドカ食いしがち。すると、さらに血糖値がはね上がってインスリンが出まくるというわけです。
「何か食べてから運動すれば、血糖値が上がりすぎることがなく、インスリンによって下がりすぎることもありません」
運動後の食事はおかずを先に食べて、ご飯を後に。これで血糖値の急上昇を防げます!