<1>「記憶」と「想起」 まず脳の仕組みを知ることが大事
ところで、かつてはすぐに頭に浮かんだ恋人の電話番号が、その後彼女と別れ、新たな出会いがあり、やがて電話番号は思い出せなくなったとします。
記憶には、「記憶」と「想起」の2つがあります。新しいことを覚えるのが「記憶」で、医学的に「記銘力」ともいいます。
一方、想起は、思い出す能力です。想起する力が低下すると一度は脳にインプットされた記憶をうまく言葉にして表現することができなくなります。これがいわゆる“物忘れ”なわけですが、その理由は、記憶に触れる機会がずっとなかった、思い出したくないという潜在的な意識が働いているなどさまざま。
よく「久しぶりに会った人の、顔はわかるけど名前がどうしても思い出せないことがよくある。これもボケですか?」と聞かれますが、それは思い出す能力が低下しているだけで、原因の一つは記憶の希薄化。心配はいりません。
次回は日常的に実践することで脳を若々しく保つ7カ条を紹介しましょう。