【降圧薬】若い人ほど多く飲む 20代後半は60代前半の2倍
年齢別の降圧剤処方量を見ると、興味深い事実が浮かんできます。NDBオープンデータには、5歳刻みの処方量が載っています。そこで厚労省の「患者調査」から、5歳刻みの高血圧患者数を計算すれば、各世代の患者1人当たりの処方量が分かります。<表>はその結果です。25歳から90歳以上までの数字を載せました。
まず気が付くのが、若年層ほど処方量が多いということ。20代後半(25~29歳)で1123錠、30代前半(30~34歳)で1161錠ですから、毎日ほぼ3錠ずつ飲んでいる計算になります。しかし、年齢が上がるにつれて処方量が減り、60代前半では521錠と半分に減っているのです。
高血圧の大半は「本態性高血圧」といわれるもので、「肥満」「塩分」「たばこ」「運動不足」「ストレス」「遺伝」が原因といわれています。患者は40代から増え始め、70代前半がピーク。しかし20代でも数千人が発症しています。しかも若年層では「治療抵抗性高血圧」と呼ばれる、降圧剤が効きにくいものが多いのです。3種類以上の降圧剤や利尿剤を併用しても、血圧が正常範囲に下がらないものを指します。この場合は副作用が出ない範囲で種類を増やし、また処方量も増やす治療がよく行われています。