職場でのいじめや暴力が糖尿病リスクを上昇させる
職務関係のストレスと糖尿病との関連性については、過去にも研究報告が存在するようですが、職場でのいじめと糖尿病発症リスクを検討した論文が2017年11月13日付で、欧州糖尿病学会の公式ジャーナル「ダイアビートロジア」誌に掲載されました。
この論文はスウェーデン、デンマーク、フィンランドで実施された4つの研究に参加していた40~65歳の4万5905人が解析の対象となっています。過去12カ月間に、職場でのいじめや暴力的行為の脅威にさらされていたかどうかについて、自己申告に基づくアンケート調査が行われ、糖尿病発症との関連性が検討されています。なお、結果に影響しうる、年齢や性別、婚姻状況、教育水準などの因子で統計的に補正を行い解析しています。
過去12カ月間において、研究対象者の9%が職場でいじめに遭っていることを報告し、また暴力やその脅威にさらされていたと報告した人は12%にも上りました。解析の結果、職場でいじめを受けていた人は、そうでない人に比べて、糖尿病の発症が46%高いことが示されました。また暴力や暴力の脅威にさらされていた人でも同様に、糖尿病の発症リスクが26%上昇することが示されています。