不眠症で自動車事故リスク1.8倍 ニアミスリスクは3倍以上
交通事故の危険因子は多岐にわたりますが、その中でも運転者の注意力低下は大きな要因といえます。飲酒運転をしてはいけないのも、運転に対する集中力低下が重大な事故を引き起こす可能性を高めるからです。
睡眠不足でも集中力の低下を招くことがあります。たとえば睡眠時無呼吸症候群という病気があり、患者さんは就寝中に呼吸が一時的に停止し、十分な睡眠をとれないことがあります。こうした睡眠不足が運転中に眠気を引き起こし、交通事故にまで至ってしまった事例は過去にもいくつか報道されています。
そんな中、不眠症と交通事故リスクの関連を検討した研究が「プロス・ワン」という科学誌に2017年10月31日付で掲載されました。この研究では、949人のトラック運転手(平均44・3歳)を対象にアンケートを実施して、睡眠習慣や睡眠時間、過去3年間における交通事故の経験などを調査しています。なお、結果に影響を与えうる、年齢、コーヒーの摂取量、喫煙などの因子で統計的に補正して解析を行っています。
その結果、不眠症ではない運転手に比べて、不眠症の運転手では自動車事故のリスクが1・8倍、ニアミス事故のリスクが3倍以上増加することが示されました。