炎症性乳管がん<1>主人にはひょっとしたら…と伝えておきました
「歯はガタガタ、爪はグラグラ、頭髪はバサバサと抜け落ちました」
抗がん剤の副作用を、涙目で語るのは原田祐子さん(51歳)。夫は「原田車両設計㈱」(愛知県みよし市)の社長で、原田さんは取締役兼2児の母親である。
一昨年3月、胸部に異常を感じた。お風呂で左側の乳房を洗ったとき、乳首を中心に全体的に少し硬い感じがした。張っていて、右側の乳房と比べて、皮膚の色が少しオレンジ色をしていた。
「普通じゃない。なんかおかしいなと思いました。でもこの当時、会社は『ライフプラグ』という中古車に取り付ける外部給電システムを開発したばかり。多忙なキャンペーン中だったのです」
原田さんは毎年、乳房超音波検査かマンモグラフィーのどちらかを受診しており、異常なしという診断が続いていた。
■告知は「ステージⅢB」
4月に入った。仕事も忙しかったが、相変わらず左の乳房が硬く、それが広がっているように感じた。