がん患者は孤独だからこそ“先輩”として心のケアの役に立ちたい
そんな時、先生をはじめ、看護師のMさん、当時内科の看護師長さんだったTさんが、たくさん私の堂々巡りの話をじっと聞いてくださったこと、今でも鮮明に覚えています。治療がつらい時も、看護師さんがいなかったら今の私はなかったことでしょう。
患者は孤独です。会社には話してもわかってもらえない。自分の弱さを見せてしまったら今後が心配なので見せたくない。そして、家族にはどう話せばいいのか言葉を失い、何を話せばいいのかわからない。そのような時に、先生や看護師さんにお話を聞いていただき救われました。
だから、先生や看護師さんからいただいた命の灯火を医療関連などのボランティアで少しでもお返しできればと。それが自分の生きる力にもなるように思えるのです。ご恩返しになるかわかりませんので、あくまでも私の希望です」
■患者同士が助け合うボランティア
Fさんは17歳で白血病になって、結婚するまでの10年間は自分が白血病であることを知らずに過ごしたといいます。現在は、がんの場合、すぐに本人に告知されます。告知されてから治療に至るまで、たくさんのことを自分で決めていく必要があります。だからこそ、Fさんはがん患者の心のケアの役に立ちたいと考えたのでしょう。