がん患者は孤独だからこそ“先輩”として心のケアの役に立ちたい
「患者は落ち込んで泣いている暇はありません。医療の進歩とともに、心の受け入れも求められているように感じています。私は先生方や看護師さんに恵まれました。本当に本当にありがとうございます。不安は尽きませんが、人生一度きり。密度の濃い人生を歩むことができています」
患者同士が助け合う「がん患者会」はたくさんあります。中でも「ピアカンファレンス」は、先輩がん患者が今がんで不安を抱いている患者の悩みを聞いたり、アドバイスを送ります。患者は、手術、放射線、化学療法などについての経験談を聞くことができます。医師や看護師から聞くのと、実際に治療を受けた患者から聞くのでは、立場だけでなく“実感”が違うのです。
たとえば、抗がん剤治療を受けることになり、治療前の不安から眠れなくなってしまう患者がいます。しかし、先輩患者から「それは私も受けた治療よ。大丈夫。でも○○には注意したほうがいいですよ」といったアドバイスをもらうだけで、どれだけ勇気づけられ、安心できることでしょう。
ただ、ピアカンファレンスを行う方の中には、宗教に勧誘したり、特定の民間薬を勧めたりする人がいる場合もあり得るので、そのようなことがないように事前研修を受けるシステムもできています。
ボランティアは、助けられるほうが助かるだけではなく、助けるほうも真に幸せな気持ちになれる貴いものだと思います。そして、それが自分自身の生き甲斐にもなってくるのではないでしょうか。Fさん、頑張ってください。