桂歌丸さんの命を奪ったCOPDは肺がん合併で治療が困難に
COPDの重症度は1秒間にどれくらいの息を吐けるかで判定しますが、少なければ少ないほど悪く、重症なほど術後合併症のリスクは高まります。
もう1つは、放射線肺臓炎です。肺がんのほか食道がんや乳がんなどで放射線治療を受けると、その影響で発症するのが放射線肺臓炎。COPDの人は、そのリスクも悪化しやすいのです。
COPDを合併している肺がんの人は65歳以上で、進行がんが多いのが特徴です。それに加えて治療が難しいことから、無治療が少なからずあります。どちらも咳や痰が主な症状で、COPDに次いで肺がんを発症することから、COPDの人は肺がんを疑いにくく、診断が遅れやすいという事情もあるでしょう。
2001年の大規模疫学調査で、COPDの患者数は530万人と推計されていますが、14年の厚労省患者調査でCOPDと診断されたのは26万人。未治療の人がかなりいることが見て取れるでしょう。潜在的なCOPD患者が知らず知らずのうちに肺がんになると、苦しい思いをせざるを得なくなることは容易に想像がつきます。