一色伸幸さん うつ病は「心のかぜ」ではなく「心のがん」

公開日: 更新日:

 うつの正体は、実際のところわかりません。でもひとつだけ言えるのは、「気の持ちようなどではない」ということ。個人的には「心のかぜ」ではなく、「心のがん」だと思ってます。がんと同じ「病気」です。がんなら1~2年闘病することを誰もためらわないでしょう。でも、うつだとなかなかそうはいかない。わかってほしいのは、治療しないと死を選んでしまうこともあるし、治りきらないまま仕事に復帰すると再発を繰り返す可能性があるということです。

 ボクは幸い、丸2年間、すべての仕事を休んで療養に専念できました。そのおかげで復帰から20年以上経ちますが、とても元気です。

 うつ病になったのは、2人目の子供が生まれ、脚本家として切れ目なく仕事をしていた30代前半です。自分で言うのもなんですが、わりと生真面目なタイプで、書き始めると昼夜を問わず仕事にのめり込んでしまう生活でした。そしてなぜか“死”や“無になる”という思いにとらわれ始めてしまったんです。

 映画ドラマがヒットしても、大きな賞を受賞しても手放しでは喜べず「もっとできたはずだ」と自分を追い込んでいました。眠れなくなり、睡眠導入剤を常用するようになりました。ボクはお酒を飲まないのですが、サラリーマンが仕事帰りに一杯やるくらいの気持ち良さがその薬にはあったのです。気づけば1日何十錠も飲んでいました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」