著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

米国で研究報告 水をたくさん飲めば膀胱炎は予防できるのか

公開日: 更新日:

 尿の回数が多くなり、排尿時の痛みや残尿感を伴う膀胱炎。女性に目立つ感染症です。原因の多くは大腸菌による細菌感染で、治療には抗菌剤が処方されます。ただ、一度治ってもまた繰り返すのがこの病気の特徴です。抗菌剤は病気を治すには有効でも、再発の予防にはなりません。

 それでは、膀胱炎を予防する方法はないのでしょうか? お医者さんに行くと、「水をたくさん飲みなさい」と言われることがよくあります。

 しかし、実はその根拠は、それほど確かなものではありませんでした。確認するような研究が、これまであまりなかったのです。

 今年の米国医師会の内科雑誌に、この問題についての臨床試験の結果が発表されています。年3回以上膀胱炎を繰り返している女性に、1日1.5リットル以上水分を取るように指導したところ、1年間における膀胱炎の回数はほぼ半減しました。水はもちろん飲み過ぎれば害もあります。

 ただ、膀胱炎を起こしやすい人で調べると、1日の水分量は1リットルありませんでした。つまり、意外に水分を取っていないのです。

 膀胱炎を繰り返しているような人では、1日に食事以外に1.5リットルの水分を取ることが、再発の予防には効果的であるようです。もちろん、内臓の病気で水分の制限をお医者さんから指示されている人は、必ず主治医の先生にご相談の上、実行して下さい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」