妊娠中の女性はご用心 「グルテン」で糖尿病になる?
グルテンとは小麦などに含まれるタンパク質のことです。パンやパスタ、ピザがモチモチとしておいしいのは、このグルテンの食感によるものです。
最近このグルテンを含まない、グルテンフリーの食品が話題になっています。なぜでしょうか? 実は体質によっては、このグルテンを取ることで、小腸に炎症が起こる病気が知られているのです。これを「セリアックスプルー」と呼んでいます。自己免疫という異常な免疫反応が、グルテンによって起こると考えられているのです。
もうひとつグルテンと関連がある病気といわれているのが、1型糖尿病です。1型糖尿病とは、主にお子さんの時期に発症する、高度にインスリンが不足するタイプの糖尿病で、治療にはインスリンの注射が必要となります。この病気は日本よりヨーロッパに多く、その原因のひとつとされているのがグルテンの摂取です。今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、デンマークの住民データの結果が報告されています。
それによると、妊娠中の女性がグルテンを多く取ると、少ない場合と比較して、お子さんの1型糖尿病の危険性が、2倍に増えていたのです。グルテンの悪影響は体質にもよるので、全ての人で影響があるというわけではなさそうですが、妊娠中のグルテンの取り過ぎには、気をつけた方が良いようです。