プリン体に要注意というが…食事と痛風はあまり関係がない
痛風は、関節に尿酸がたまり、関節炎を起こす病気です。お酒を飲んだ翌朝などに、足の親指の付け根が赤く腫れて、歩けないほどの痛みを感じることがありますが、これは発作時の症状です。
痛風発作を起こしてお医者さんに行くと、血液検査で尿酸値を測ります。その値が高い場合には、尿酸を下げる飲み薬が処方されます。この時に同時に指導を受けるのが、食事やお酒についての制限です。ビールなどのお酒やレバー、肉や魚などのタンパク質には、尿酸のもとになるプリン体が多く含まれていて、それをなるべく取らないようにすることが指示されるのです。
しかし、実際に血液中の尿酸値と、食事との間には、どの程度の関連があるのでしょうか?
今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という有名な医学誌に、それについての論文が掲載されました。痛風のない健康な人について、血液の尿酸値と食事との関係を検証したところ、食事のプリン体に注意をしても、尿酸値への影響はわずかなものでした。
それでは、何が尿酸値を高くしているのかというと、実は生まれつきの体質が、食事よりはるかに大きな影響を与えていたのです。もちろん痛風は生活習慣病のひとつでもありますから、不摂生をしていれば、その影響はあるのですが、摂生しても尿酸値の下がらない人は、それは遺伝的に決まっていると、そう考えた方が良さそうです。