4月に国内初導入 AIが患者に最適なクスリの情報を提供
そうした“不具合”を補助するためのツールとして選ばれたのがAIだった。
蓄積してきたQ&Aを最新の情報にアップデートして整理したものをAIに学習させ、パソコンやタブレットなどの端末から質問すると最適な回答が提供される。同大は、そんなAI搭載型医薬品情報提供支援ツール「aiPharma(アイファルマ)」を木村情報技術と共同で開発し、4月から運用をスタート。すべての病棟薬剤師がタブレットを携帯して、臨床現場で活用している。
「最大の強みは、異なる言い回しや曖昧な表現をそのままの自然な話し言葉で入力しても、AIが文脈から意味を読み取り、意図を正確に認識して適切な回答を提供してくれるところです。たとえば、クスリには一般名(成分名)と製品名(商品名)があって、さらに現場での呼称もある。そのため、これまでは打ち込む単語によっては検索に引っかからない場合がありました」
また、クスリを「投与」するという意味の言い回しには、「打つ」や「いく」と表現することもあるため、何度も打ち込む単語を入れ替えないと、求めている「答え」にたどり着けないケースもあった。