著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

医療にも人工知能普及 AIがん診断は胃も皮膚も正答率9割

公開日: 更新日:

 株価や行動パターンを予測したり、将棋や囲碁のロボットが人間のプロ棋士と勝負したり――。生活のあらゆるシーンに人工知能AIが組み込まれている今、医療もAI抜きでは語れません。

 がん研有明病院などのグループは、AIを活用することで高い精度で胃がんを検出できるシステムを開発。実際に臨床現場で使えそうな水準で話題を呼んでいます。

 グループはまず、1万2000万枚以上の胃がん画像のデータをAIに学ばせ、ディープラーニング(深層学習)という手法で病変を検出できるように学習。その“実力”を別の画像2296枚を使ってチェックしました。

 その結果、病変の検出率は9割超。特に早い治療が必要な6ミリ以上に限ると、71病変中70病変とほぼパーフェクト。ベテラン医師に匹敵する精度の解析が47秒で終了。1画像当たり0・02秒のスピードでした。

 胃がん検診は2年前から胃カメラで受けられるようになり、内視鏡医が不足しています。内視鏡検査で撮影される画像は1回150枚に上りますから、AIによる自動診断は医師の負担軽減として注目でしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    天皇一家の生活費360万円を窃盗! 懲戒免職された25歳の侍従職は何者なのか

  2. 2

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  5. 5

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

  1. 6

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  2. 7

    乃木坂46では癒やし系…五百城茉央の魅力は、切れ味と温かさ共存していること

  3. 8

    初日から無傷の6連勝!伯桜鵬の実力を底上げした「宮城野部屋閉鎖」の恩恵

  4. 9

    新潟県十日町市の“限界集落”に移住したドイツ人建築デザイナーが起こした奇跡

  5. 10

    トランプ大統領“暗殺”に動き出すのか…米FBI元長官「呼びかけ」の波紋