認知症予防や進行抑制にも期待「毛細血管」こう若返らせる
がんの中の毛細血管は、壁細胞が血管内皮細胞に正しく接着していない。そのため過剰に血液が漏れ、いわば水浸し状態になり、抗がん剤が細胞に届かなくなる。だから、効きが悪い。この“漏れやすい”毛細血管は、がんの人に限ったものではない。主に2つの原因によって、体の毛細血管が“漏れやすく”なっている人が多いのだ。
「原因のひとつは、老化です。加齢により細胞の分裂機能は低下する。毛細血管を構成する血管内皮細胞も同様で、毛細血管が劣化します」
これに拍車をかけるのが、高血糖だ。高血糖で体内に焦げのような物質「AGE」が発生。
「AGEは老化の要因になり、これを、毛細血管の血管内皮細胞の受容体が取り込むと、活性酸素が大量に発生し、血管構造を保つ壁細胞の機能が低下して血管内皮細胞の隙間が開くのです」
実は近年、国内外の研究者らが、毛細血管がさまざまな病気や不調と関係していることを論文で発表している。高倉教授が特に注目した内容を2つ挙げよう。
【骨粗しょう症】