同じ職種でも職場が変わったら聞き取れなくなることも
仕事上で苦労することの多いAPD。特に職場の環境が変わって急に仕事に支障が生じる場合も多いという。APDに関する著書のある「ミルディス小児科耳鼻科」(東京・北千住)の平野浩二院長が説明する。
「同じ仕事をしていても、転職して職場を変えたら急に困ってしまったというケースはよくあります。たとえば、調理師が以前は問題なく働けていたのに、学校給食の職場になったら機械音などが多くてとたんに仕事上必要な会話が聞き取れなくなってしまった。ほかにも、居酒屋のバイトとかコールセンターなど、うるさい中で音声を聞き取ることが必須になる仕事はやはりきついですね。静かな職場だったり、SEなどパソコン上のやりとりが中心な仕事だったらうまくやれている人も多いです。また、うるさい中ではまったくダメかというとそうでもなくて、調理の仕事でも、周りのスタッフがAPDについて理解してくれて、注文をメモに書いてくれるようになったので、問題なく仕事ができるようになったというケースもありました」
前出の真壁さんは、教師を目指して勉強中。その傍ら、コンビニでのアルバイトもしていて、その際の苦労も多かったとか。