著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

【再発ヘルペス】“うつされた”と勘違いすることがある

公開日: 更新日:

 一方で再発が多く、悩まされている患者さんもおられます。年6回以上繰り返す患者さんを対象に、2006年に「再発抑制療法」が保険適用になっています。通常の治療では抗ウイルス薬を5日間飲みますが、再発抑制療法では抗ウイルス薬を1日1錠、毎日1年間継続して飲みます。これで患者さんの70%以上は再発を抑制できるとされています。

 さらに朗報があります。今年2月に「PIT(短期抑制療法)」という新しい治療法が保険適用になりました。これは年3回以上、性器ヘルペスまたは口唇ヘルペスを繰り返している患者さんが対象です。再発ヘルペスでは水膨れが出現する前に患部に痛みやかゆみ、違和感といった前駆症状に気づく患者さんがいます。そのような患者さんに事前に抗ウイルス薬を処方しておいて、前駆症状を感じた時点で薬を飲んでもらうのです。

 この治療法で認められているのは、抗ウイルス薬の中でも「ファムビル(商品名)」のみです。

 前駆症状があったら6時間以内に4錠飲んで、さらに12時間後に4錠飲みます。治験の段階で、3分の1の患者さんで水膨れの出現が阻止できて、残りの患者さんでも水膨れの出現期間の短縮が報告されています。

「お守り」として携帯しているだけでも再発の不安が軽減され、再発率を減らせる可能性があります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末