【再発ヘルペス】“うつされた”と勘違いすることがある
一方で再発が多く、悩まされている患者さんもおられます。年6回以上繰り返す患者さんを対象に、2006年に「再発抑制療法」が保険適用になっています。通常の治療では抗ウイルス薬を5日間飲みますが、再発抑制療法では抗ウイルス薬を1日1錠、毎日1年間継続して飲みます。これで患者さんの70%以上は再発を抑制できるとされています。
さらに朗報があります。今年2月に「PIT(短期抑制療法)」という新しい治療法が保険適用になりました。これは年3回以上、性器ヘルペスまたは口唇ヘルペスを繰り返している患者さんが対象です。再発ヘルペスでは水膨れが出現する前に患部に痛みやかゆみ、違和感といった前駆症状に気づく患者さんがいます。そのような患者さんに事前に抗ウイルス薬を処方しておいて、前駆症状を感じた時点で薬を飲んでもらうのです。
この治療法で認められているのは、抗ウイルス薬の中でも「ファムビル(商品名)」のみです。
前駆症状があったら6時間以内に4錠飲んで、さらに12時間後に4錠飲みます。治験の段階で、3分の1の患者さんで水膨れの出現が阻止できて、残りの患者さんでも水膨れの出現期間の短縮が報告されています。
「お守り」として携帯しているだけでも再発の不安が軽減され、再発率を減らせる可能性があります。