著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

生理学の専門誌で報告 「うがい薬」で血流が低下する?

公開日: 更新日:

 風邪が流行する季節になりました。予防のために皆さんは何をしていますか? 毎日必ずうがいをする、というのは、比較的多い答えかも知れません。

 うがいには風邪の一定の予防効果がありますが、うがい薬を使う必要はなく、水やお茶のうがいで十分だといわれています。しかし、それでも抗菌作用や殺菌作用のあるうがい薬を使った方が、健康に良いのではないかと思われるかも知れません。しかし、それは本当に事実でしょうか? 

 実は今年の生理学の専門誌に、薬によるうがいが、血管の働きに悪い影響を与える、という結果が報告されているのです。一体それはどういうことなのでしょうか? 

 運動をすると、運動している時は血圧が上がりますが、運動後には普段より血圧が下がります。これは、運動により一酸化窒素が産生され、それが血管を広げて血流を増加させているからです。この一酸化窒素は血管で産生されますが、それ以外に口の中の細菌の力を借りて、口の中でも作られていることが最近分かりました。

 そこで運動の前に、殺菌作用のあるうがい薬でうがいをした場合と、ただの水でうがいをした場合とを比較したところ、うがい薬を使用した時には、一酸化窒素の産生量が減り、運動後にも血圧があまり下がらないことが確認されたのです。

 うがい薬というのは、意外に大きな影響を、体に与えることがあるようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」