「相手は自分とはまったく別種のタイプだと思えば、そんなに腹も立たない」

公開日: 更新日:

 これはどうしてかというと、人間はあえて異性と出会うといろいろな情報を読み取って、自分とは違うタイプの女性を選んでいる。そうすることでお互いの長所を備えた子どもが生まれて、人間の種としての多様性が保たれているんだと言うのです。一緒に寝ていても、どちらかがいびきをかく体質で、どちらかが安眠できない体質だというのはよくある話で、だから夫婦が一緒のベッドで寝るなんていうのも、そもそも無理があるのです。

 家族というのは一緒にいる時間が長いからこそ、お互いに問題に思うこととか、抱えているストレスがあふれてしまって、抑えられない怒りのスイッチが入ってしまうということもありますよね。でも私は、そういうときこそ家族は支え合うべきだと思うんです。

 家族が仲良くするには、やはり話すことではないでしょうか。話して理解していく。自分が相手と同じ種類の生き物だと思うから感情がすれ違うので、最初から相手は自分とはまったく別種のタイプなのだということを前提にしていたら、そんなに腹も立たないと思うのです。男性と女性はそもそも脳の作りからして違って、お化け屋敷でも女性はすぐキャーキャー言うのに、男性は出口にたどり着いてからへたりこむというように、男性はつい我慢してしまうのですが、だから仕事でつらいこともなかなか言いだせずにうつ病になってしまったりする。まずい状態になる前にまずは話しあって、お互いを無理に同じ土俵に載せようとしないで違う部分を分かり合えばいいのでは。あとは一日中一緒にいないで、なるべく外に出掛けたり、距離を取る時間を持つことでしょうか。

▽根本一徹(ねもと・いってつ)1972年東京生まれ。臨済宗妙心寺派大禅寺住職。「いのちに向き合う宗教者の会」代表。98年に出家し04年より自死防止活動を開始。国内外の国際会議で「世界仏教徒会議」日本代表発表者として登壇。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」