新型コロナの影響で日本の医療体制の再整備が進むだろう
■医療スタッフの働き方も見直される
病院内でのマネジメントの見直しも急ピッチで行われています。近年、膨らみ続ける医療費をどうやって削減するかが大きな課題になっていました。新型コロナの影響で大学病院の収入が毎月10億円減っているということは、大局的に見れば10億円の医療費が節約されているともいえます。
そうした状況下で病院が経営を維持していくためには、不要な人件費や設備費といった無駄を洗い出して省いていく必要があります。そして、「ダウンサイジングしてもやっていけるな」という感触を得ている施設も少なくないでしょう。
また、コロナ前まではクスリを処方してもらうだけのために通院していた患者さんがたくさんいました。しかし、いまはそうした患者さんはほとんど来院されずに済んでいます。本当に通院する必要がある患者さんを見極めつつ、来院しなくても問題ない患者さんには通院しなくてもいい医療サービスを提供していく。これをしっかり実現できれば、人件費の節約にもつながって、生き残ることができます。